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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻11号

1996年10月発行

文献概要

症例報告

脂漏性角化症上に発生したBowen病の1例

著者: 秋友保千代1 為政大幾1 細川宏1 堀尾武1 菱川秀夫

所属機関: 1関西医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.930 - P.932

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 59歳,女性.初診の5年前に左下腿外側の褐色斑に気づくも放置していた.初診の7ヵ月前より,その一部が隆起しびらんを生じてきた.褐色局面は3.5×3.0cm大で,そのほぼ中央に1.8×1.6cm大で表面にびらんと痂皮を伴う淡紅色の疣贅様腫瘤が存在した.病理組織学的に,褐色局面部は脂漏性角化症,腫瘤部はBowen病と診断した.脂漏性角化症から生じたBowen病や有棘細胞癌の報告例は比較的まれであるが,脂漏性角化症にびらんや腫瘤が生じてきた場合には,悪性変化に注意する必要があると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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