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症例報告
塩酸チリソロールによる光線過敏型薬疹の1例
著者: 岳尾基一1 筒井清広1
所属機関: 1金沢大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.971 - P.973
文献購入ページに移動 76歳,女性.高血圧のため塩酸チリソロール(ダイム®)を内服開始約7ヵ月後に露光部に掻痒を伴う紅斑が出現.光照射試験ではUV-Bおよび可視光線に対する過敏性は認められなかったが,UV-A 2.6J/cm2照射で紅斑が誘発された.同剤の内服を中止し,光過敏性の消失を確認後,UV-A 3.9J/cm2を照射した光貼布試験では,ダイム®錠1〜20%含有日色ワセリン貼布部位に陽性反応が認められた.対照とした正常人5人では光貼布試験はいずれも陰性であった.常用量(20mg)およびその1/10量(2mg)の塩酸チリソロールを投与した内服照射試験では,いずれも照射部位に紅斑が誘発された.以上の成績より本症例を塩酸チリソロールによる光線過敏型薬疹と診断した.
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