icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻12号

1996年11月発行

症例報告

塩酸チリソロールによる光線過敏型薬疹の1例

著者: 岳尾基一1 筒井清広1

所属機関: 1金沢大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.971 - P.973

文献概要

 76歳,女性.高血圧のため塩酸チリソロール(ダイム®)を内服開始約7ヵ月後に露光部に掻痒を伴う紅斑が出現.光照射試験ではUV-Bおよび可視光線に対する過敏性は認められなかったが,UV-A 2.6J/cm2照射で紅斑が誘発された.同剤の内服を中止し,光過敏性の消失を確認後,UV-A 3.9J/cm2を照射した光貼布試験では,ダイム®錠1〜20%含有日色ワセリン貼布部位に陽性反応が認められた.対照とした正常人5人では光貼布試験はいずれも陰性であった.常用量(20mg)およびその1/10量(2mg)の塩酸チリソロールを投与した内服照射試験では,いずれも照射部位に紅斑が誘発された.以上の成績より本症例を塩酸チリソロールによる光線過敏型薬疹と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら