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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻12号

1996年11月発行

文献概要

症例報告

在日外国人に発症した境界群らいの1例

著者: 成田浩巳1 新田悠紀子2 和泉眞藏3

所属機関: 1愛知県厚生農業協同組合連合会加茂病院皮膚科 2愛知医科大学皮膚科学教室 3国立多摩研究所

ページ範囲:P.991 - P.993

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 48歳,男性,日系ブラジル人.1994年12月頃より主に躯幹,四肢に一部環状を呈する淡い紅斑が多発,全身皮膚のビリビリした疼痛あり.1995年4月より両上肢のしびれ感を認めた.両側大耳介神経および橈骨神経浅枝の肥厚が触知され,皮疹部および両側尺骨神経領域,両足5趾付近の知覚低下がみられた.皮膚塗抹菌検査および鼻粘膜スメアでらい菌陰性.皮疹部病理組織像で神経周囲および一部神経内に類上皮細胞,泡沫様細胞,リンパ球の混在した肉芽腫を認めた.抗酸菌染色で神経内に少数の陽性桿菌を確認.PGL-IおよびLAM-B抗原の免疫染色で肉芽腫内の残存神経中に陽性細胞が散見され,両者の血清抗体価も陽性を示した.以上よりBT群らいと診断した.最近の本邦におけるらい患者の発生状況について若干の文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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