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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻12号

1996年11月発行

症例報告

活性型ビタミンD3外用と海水浴により著明に改善した小児毛孔性紅色枇糠疹の1例

著者: 樋口哲也1 丸山隆児1 佐藤貴浩1 片山一朗1 西岡清1 宇田川晃2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室 2宇田川皮膚科

ページ範囲:P.997 - P.999

文献概要

 症例は8歳,女児.5歳時より,両手掌に角化性局面が出現し,次いで粟粒大角化性丘疹が肘頭,膝蓋部に出現してきた.初診時,前額部,耳介後部,後頸部,背部に枇糠様鱗屑を付着したsalmon pink色の紅色局面を認め,周囲に毛孔一致性角化性紅色丘疹が散在していた.肘頭,膝蓋,手指の関節伸展部にも同様の丘疹が集簇し,手掌,足底にはびまん性の潮紅を伴う角化を認めた.活性型ビタミンD3(1α−24(OH)2D3)軟膏の外用を開始したところ一時皮疹は増悪したが,夏休みにプールを通い,一度海水浴に行った後,皮疹は軽快傾向を認め,外用開始4ヵ月には略治した.活性型ビタミンD3の外用と紫外線が毛孔性紅色粃糠疹の皮疹の改善に有効であることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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