icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻12号

1996年11月発行

症例報告

皮膚限局型ランゲルハンス細胞組織球症の2例

著者: 布袋祐子1 木花いづみ1 高畑玲子2 東條雅宏3

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科 2慶應義塾大学病院小児科 3平塚市民病院小児科

ページ範囲:P.1021 - P.1024

文献概要

 症例1:4ヵ月,男児.生後3ヵ月より躯幹に常色から紅色丘疹が多発,頭部には脂漏性皮膚炎様皮疹を認めた.全身状態は良好.経過中点状出血や紫斑,脱色素斑が混じてきた.症例2:5ヵ月,男児.生後5ヵ月より躯幹に白色小丘疹が多発,頭部には軽度の鱗屑を伴う小丘疹を認めた.全身状態は良好.病理組織学的所見:症例1,2において表皮から真皮浅層にかけて核が大型で切れ込みを有す組織球様細胞の浸潤を認めた.これらの細胞はS−100蛋白陽性.電顕にてランゲルハンス顆粒を確認できた.全身検査を施行するも2例とも特に異常は認められず,それぞれ約1年および3ヵ月の経過で皮疹はほぼ消退した.以上より自験2例を皮膚限局型ランゲルハンス細胞組織球症と診断したが,症例2ではcongenital self—healing reticulohistiocytosisとの鑑別が必要であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら