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症例報告
文献概要
69歳女性の腋窩に5〜6年前から一見皮膚線維腫様の広基性,半球状,弾性軟の一部黒色の腫瘍が単発.最近着衣の硬い繊維で機械的刺激を強く受けるまでびらん,潰瘍の形成がなく,いわゆる腫瘤型の特徴を有していた.組織学的に充実型および嚢腫型の基底細胞上皮腫(BCE)であった.BCEの腋窩発生例はごく少く,本邦では自験例を含めて14例であり,男5例,女9例,うち11例が60歳以上である.臨床像は結節型5,局面型7,局面に結節が加わった型2で,他の部位のBCEの臨床像と大差はなかった.一方組織像は全部あるいは一部に充実型を示すもの6例,表在型を示すもの5例で,表在型の頻度が他部位のBCEより多かった.
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