文献詳細
原著
文献概要
77歳の男性,元ボイラー技師.2ヵ月前に右第II趾爪下の疼痛を伴った小結節に気づいた.放置していたが,疼痛が増強してきたため当科を受診した.骨X線像で右第II趾末節骨先端に茸状の骨陰影像を認めた.局麻下に末節骨基底部の一部を含めて小結節を摘除した.臨床的および病理組織学的所見より,混合型の爪下外骨腫と診断した.次いで自験例の位置づけを知るため,1984年ら1995年までの最近10年間に皮膚科および整形外科領域より報告のあった本邦報告例158例と今回の症例1例を合わせて統計的観察を行った.その結果,自験例のように第II趾に生じたものは足趾に生じたものの8,8%にすぎなかった.年齢別にみると,大半は10歳代とその前後に生じ,70歳代に生じたものはこれまでになく,自験例が最も高齢であった.
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