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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻13号

1996年12月発行

文献概要

症例報告

視力障害を伴った弾力線維性仮性黄色腫の1例

著者: 野中由紀子1 清水昭彦1 古賀哲也1 利谷昭治1 近藤寛之2

所属機関: 1福岡大学医学部皮膚科学教室 2福岡大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1098 - P.1100

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 65歳,女性.20歳代後半より頸部の皮膚がザラザラし,腋窩,腹部の皮膚に大きく皺がよるのに気づいた.平成2年より右視力が低下し,平成6年8月より左視力も低下している.腋窩皮膚の病理組織検査で真皮に不規則に凝集する弾力線維物質が存在し,両眼底所見で典型的な網膜色素線条(allgioid streaks)と黄斑部変性を認めた.網膜色素線条に随伴した黄斑部変性に基づく視力障害をきたした弾力線維性仮性黄色腫(pseudoxan—thoma elasticum)と診断した.弾力線維性仮性黄色腫の患者を診察する機会の多い皮膚科医にとって網膜色素線条に伴う黄斑部病変に基づく視力障害が起こる前の比較的早期に,眼底病変発見のために眼科的診察を受けるように指導することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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