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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻13号

1996年12月発行

文献概要

症例報告

灼熱感と瘙痒を主訴としたらいの1例

著者: 樋口由美子1 西山千秋2

所属機関: 1本庄総合病院皮膚科 2日本大学練馬光が丘病院皮膚科

ページ範囲:P.1104 - P.1106

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 35歳,日系ブラジル人女性のBL型らいの1例を報告した.初診7日前より全身に不整形の紅斑が出現した.初診時,顔面を含む全身に不整形の浸潤性紅斑が多発し,掻破痕を伴っていた.紅斑部には灼熱感と掻痒がみられ,同時に知覚鈍麻もあり,尺骨神経の肥厚も認めた.ツ反は陰性.液性および細胞性免疫は正常範囲内であった.紅斑部の生検では真皮上層から皮下脂肪組織にリンパ球を主とする小円形細胞浸潤に取り囲まれた肉芽腫反応が広汎に認められ,その主体は泡沫状組織球と類上皮細胞であった.また,泡沫状組織球内に多数のらい菌を検出した.治療開始直前,妊娠が判明したため,ステロイド外用のみで経過観察したところ,7ヵ月後には浸潤を伴った紅斑は紅褐色斑ないしは色素沈着となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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