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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻2号

1996年02月発行

今月の症例

Epithelioid sarcomaの1例

著者: 中山佳代子1 伊崎誠一1 北村啓次郎1 井上健夫2 向井万起男3

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科 2埼玉医科大学総合医療センター形成外科 3慶應義塾大学病理学教室

ページ範囲:P.111 - P.114

文献概要

 左前腕伸側に生じたepithelioid sarcomaの1例を報告した.症例は50歳,女性.9ヵ月前より小結節が出現し,掻破により中心部が徐々に潰瘍化した.病変を切除し,組織学的に検討すると,上皮細胞様と線維芽細胞様の腫瘍細胞の混在がみられ,一部の上皮様細胞は結節を形成し,その中心部では壊死が認められた.術後約1ヵ月で局所再発し,拡大切除ならびに左腋窩リンパ節郭清,化学療法,放射線療法を施行した.その後3年5ヵ月の間再発を認めない.本症は皮膚科領域からの報告は未だ少なく,四肢,特に手関節より末梢に生じた難治性潰瘍の発生をみた場合には本症を念頭におき,時期を逸することなく適切な治療がなされるべきと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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