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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻2号

1996年02月発行

文献概要

症例報告

多彩な前駆症状を呈した毛孔性紅色粃糠疹の1例

著者: 兼古理恵1 松坂優子1 加藤文博1 田中智1 森元洋介1 三浦俊祐1 前田和男1 嵯峨賢次1

所属機関: 1札幌医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.119 - P.121

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 症例は31歳,女性.1993年1月末頃より両前腕に貨幣大までの淡紅色非隆起性紅斑が出現,全身に拡大した.同時に39℃の熱発,金身倦怠感,全身のリンパ節腫脹,筋肉痛および関節痛が出現したため近医内科を受診し入院した.肝機能等の検査値異常,臨床症状より成人Still病が疑われ,プレドニゾロン,アザチオプリン内服による治療が開始された.治療開始後より,臨床症状,検査値異常は改善していたが,2月末頃より両膝蓋部より急速に拡大する毛孔性紅色丘疹,紅斑角化性局面が出現したため,当科を受診した.皮膚生検により毛孔性角栓,基底層の液状変性,真皮血管周囲性炎症細胞浸潤を認め,毛孔性紅色粃糠疹と診断した.エトレチナート内服治療によく反応し約2ヵ月後には寛解した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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