icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻2号

1996年02月発行

文献概要

症例報告

Localized idiopathic lipoatrophyの1例

著者: 加藤英行1 山田朋子2 村田哲2

所属機関: 1済生会宇都宮病院皮膚科 2自治医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.131 - P.133

文献購入ページに移動
 9歳,女児.初診の1年前に気づく.右上腕伸側単発の境界不明瞭で白く陥凹する斑,毛細血管が透見される.病理組織で病変の主体は脂肪組織,小葉構造は保たれているが小さく,好酸性に染まるヒアリン物質の中に小型で明瞭な核をもつ脂肪細胞がある.胎生期の脂肪組織に似る.毛細血管は著しく拡張し赤血球が充満している.以上よりlocalized idiopathic lipoatrophy,involutional typeと診断した.本例は国内3例目で稀な疾患である.病因は不明だが,上腕伸側に好発することから,血管の奇形があり,そこに慢性の外力が加わり血流障害が生じ,脂肪組織の萎縮をきたしたと推論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?