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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻2号

1996年02月発行

症例報告

多彩な皮膚症状を呈した第2期顕症梅毒の1例

著者: 市川寛12 杉本東1 戸倉新樹2

所属機関: 1愛知県厚生連渥美病院皮膚科 2浜松医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.134 - P.136

文献概要

 44歳,男性に見られた第2期顕症梅毒の1例を報告した.初診の4ヵ月前より亀頭部に潰瘍があり,徐々に排尿困難を伴うようになった.その後顔面,体幹に自覚症状のない紅色皮疹が出現し,発熱,咽頭痛,全身倦怠感,体重減少を伴うようになった.初診時,梅毒血清反応はガラス板法128倍,TPHA 163,840倍と高値であった.臨床的には,硬性下疳,無痛性横痃,梅毒性アンギーナ,ほぼ全身性で散在性の丘疹性梅毒疹,梅毒性乾癬,顔面には結節性梅毒疹,頭部には梅毒性フランベジア,後頸部には梅毒性膿瘡と多彩な皮疹がみられた.病理組織学的に,真皮全層にリンパ球,形質細胞を主体とした稠密な細胞浸潤を認めた.治療はペニシリンG筋注後,バイシリンG内服投与を行い,皮疹は色素沈着を残し治癒,梅毒血清反応抗体値も漸次低下した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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