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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻2号

1996年02月発行

文献概要

症例報告

乳癌の皮膚転移における電顕的検討

著者: 篭浦正順1 諸橋正昭1

所属機関: 1富山医科薬科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.159 - P.162

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 72歳,女性.1988年に乳癌の手術.初診約1年前より,右前胸部に紅斑出現.徐々に拡大してきたため当科を受診.病理組織学的には明らかな管腔形成像はなく,膠原線維束に取り囲まれるように充実性あるいは索状に大型の核とエオジン好性の細胞質を有する腫瘍細胞が増殖していた.電顕的には,腫瘍細胞の核には切れ込みがみられ,偏在していた.細胞質には大小多数の空胞が認められ,巨大な自己貪食空胞も認められた.ミトコンドリアや粗面小胞体などの細胞小器官の発育は比較的良好であった.細胞表面には微絨毛が認められた.病理組織学的には,ductal carcinomaのscirrhous typeであったが,電顕的には,むしろmucinous carcinomaあるいはlobular carci-nomaの特徴を有し,興味ある所見と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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