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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻2号

1996年02月発行

症例報告

色素性母斑上に生じた結節型悪性黒色腫の1例

著者: 大久保恵美子12 市川栄子1 浅野さとえ1 岡部省吾1

所属機関: 1同愛記念病院皮膚科 2東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.164 - P.166

文献概要

 64歳,男性.幼児期から左鼻背に黒褐色丘疹があり,初診の3ヵ月前より出血を繰り返し増大.左鼻背に8×8mmの皮面より突出した暗紫紅色ドーム状の結節を認め,中央部は痂皮を付着し,keratoacanthoma様の外観を呈していた.病理組織学的には皮面より突出したドーム状の腫瘤内に表皮直下から真皮網状層まで異型性の強い腫瘍細胞が塊状に増殖し,その底部に沿ってすり鉢状に母斑細胞の胞巣を認めた.免疫組織化学的に,HMB-45は腫瘍細胞に陽性を示し,真皮内母斑細胞には陰性,S-100蛋白は両者ともに陽性を示した.以上の所見より,色素性母斑上に生じた結節型悪性黒色腫と診断し,全身検索で転移を認めなかったためstage IIとして,鼻部拡大手術後に有茎皮弁術を施行した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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