文献詳細
症例報告
文献概要
48歳,女性.約10年前に右乳頭部に約5mmの黒色色素斑が出現した.徐々に拡大していたが,初診の数ヵ月前から急速に拡大した.初診時,右乳頭部から乳輪にかけて1.5×1.0cm,境界明瞭な黒色色素斑が存在した.病理組織像から,悪性黒色腫と診断し,拡大切除術と化学療法を行った.その後4年間良好な経過であったが,初診の4年10ヵ月後に異常胸部陰影を指摘され,外科で肺腫瘍切除を受け,悪性黒色腫の転移病巣が判明した.乳輪および乳頭部の悪性黒色腫は非常に稀であり,治療と経過を報告し,若干の文献的考察を加えた.
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