icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻3号

1996年03月発行

文献概要

今月の症例

全身性形質細胞増多症の症候を示した第2期梅毒—プロゾーン現象と一過性に抗核抗体陽性を示した症例

著者: 中島英貴1 安井喜美1 池田光徳1 池田政身1 小玉肇1

所属機関: 1高知医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.211 - P.213

文献購入ページに移動
 39歳,女性.体幹,両上肢に浸潤性紅斑と紅色結節が多発した.頸部,両鼠径部のリンパ節腫脹があり,膝,手指の関節痛も訴えた.組織学的には多数の形質細胞浸潤を伴う肉芽腫性炎症の所見を示した.初診時,抗核抗体陽性,高ガンマグロブリン血症を認め,TPHA 10,240倍陽性であったが,RPRテストはプロゾーン現象による偽陰性を示した.全身性形質細胞増多症の症候を示す梅毒2期疹と診断し,アモキシシリン内服治療により治癒した.治癒後抗核抗体は陰転化した.梅毒感染によるB細胞賦活により抗核抗体が一過性に陽性を示したと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?