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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻3号

1996年03月発行

文献概要

症例報告

慢性関節リウマチに合併した壊疽性膿皮症の1例

著者: 川口博史12 山口晃弘3 鈴木毅3 山田昭夫3 中嶋弘1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室 2国立相模原病院皮膚科 3国立相模原病院内科

ページ範囲:P.231 - P.233

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 62歳,女性.慢性関節リウマチとしてステロイド,免疫抑制剤などで治療を受けていたが,右大腿に急速に拡大する有痛性巨大潰瘍が出現した.組織学的にはリンパ球,組織球,形質細胞,好中球などよりなる非特異的肉芽腫性反応で,明らかな血管炎の所見は認められなかった.局所の疼痛に対して,硬膜外麻酔などを行いつつプレドニゾロンを1日50mg内服したところ,数日後より疼痛は改善し,皮疹は乾燥し始めた.約5カ月後には瘢痕を残して治癒した.大腿の巨大な局面はその後経過良好であったが,下腿には軽微な外傷をきっかけに,小潰瘍が再発した.壊疽性膿皮症は,潰瘍性大腸炎,大動脈炎症候群など種々の自己免疫性疾患,免疫異常が疑われる疾患に合併することが知られているが,慢性関節リウマチに合併する壊疽性膿皮症は比較的稀と思われ,ここに報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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