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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻4号

1996年04月発行

文献概要

臨床統計

12歳女児にみられた悪性黒色腫の報告と本邦小児悪性黒色腫報告60例の検討

著者: 神戸直智1 田村敦志1 永井弥生1 石川治1 宮地良樹1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.303 - P.306

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 12歳女児に生じ,リンパ節転移を伴った悪性黒色腫の1例を報告した.近医にて左膝内側の褐色調隆起性皮疹を粉瘤の診断で切除,切除標本の病理検索から悪性黒色腫と診断され,当科を紹介された.組織標本はClark's Level V,結節型の悪性黒色腫であり,原発巣の拡大切除および左鼠径リンパ節郭清術を施行した.切除したリンパ節に転移が確認され,化学療法を継続しているが,現在まで新たな転移巣の出現は確認されていない.悪性黒色腫が思春期以前に発症する頻度は低く,本邦で報告されている小児悪性黒色腫は60例にすぎない.このうち巨大色素性母斑を発症母地とするものが22例であり,巨大色素性母斑以外から生じた例は38例であった.後者では組織型の明らかなものの2/3が結節型であり,小切除などの前治療を受けているものが約半数を占めていた.転移の明らかなものは5例のみであり,すべて結節型であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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