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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻4号

1996年04月発行

文献概要

今月の症例

急性腎不全を来し,血液透析で救命し得たサンゴ皮膚炎

著者: 藤塚章子1 原弘之1 岡田浩幸1 森嶋智津子1 涌井史典1 本庄三知夫1 森嶋隆文1 奈倉勇爾2 倉賀野隆裕2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2日本大学医学部第二内科学教室

ページ範囲:P.307 - P.310

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 26歳,健康な男性が,フィリピンのセブ島でダイビング中に破れたウェットスーツを着ていたため,露出していた左大腿部をアナサンゴモドキと接触し,発赤,腫脹が生じた.経過中,再燃する皮膚症状とともに,悪心,嘔吐,全身の浮腫と乏尿が出現し,急性腎不全とDICを併発した.計5回の血液透析により,救命し得た.病理組織学的に表皮内水疱,表皮細胞の壊死,真皮では赤血球の血管外漏出,血栓形成と小円形細胞浸潤.蛍光抗体直接法で血管周囲にIgMとC3の沈着がみられた.筋原性酵素の上昇がみられたことから,刺胞毒の直接作用あるいは外傷後の挫滅症候群により横紋筋融解が生じ,急性腎不全を起こしたものと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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