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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻4号

1996年04月発行

症例報告

慢性円板状エリテマトーデス上に生じた有棘細胞癌—切除植皮部に慢性円板状エリテマトーデスの再発した1例

著者: 出光俊郎1 山田朋子1 村田哲1 中村仁子1 山根康弘1 鈴木正之1 矢尾板英夫1 権太浩一2 阿久津一巳3

所属機関: 1自治医科大学皮膚科学教室 2自治医科大学一般外科学教室 3阿久津皮膚科医院

ページ範囲:P.311 - P.314

文献概要

 慢性円板状エリテマトーデス(DLE)の皮疹部に発生した有棘細胞癌(SCC)を切除後,植皮部にDLEの再発した1例を報告した.症例は68歳,男.約30年前より顔面に紅斑が持続しており,平成4年両側耳前部に隆起性病変が出現,DLEに発生した有棘細胞癌の診断のもとに紅斑部を含めて全切除,全層植皮を行った.1年後,左耳前植皮部に15×10mm大の鱗屑を伴う紅斑が出現した.病理組織学的には表皮の著明な萎縮と基底層の液状変性に加えて表皮直下に多数のヒアリン小体が認められた.真皮上層ではリンパ球および組織球が塊状に浸潤していた.免疫組織学的には表皮直下にIgMの沈着が観察された.本邦報告例で植皮部にDLEの再発した症例はなく特異と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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