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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻5号

1996年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996 4 治療のポイント

アトピー性皮膚炎と抗菌剤

著者: 秋山尚範1 戸井洋一郎1 神崎寛子1 多田讓治1 荒田次郎1

所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.133 - P.137

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 アトピー性皮膚炎(ADと略す)の抗菌薬療法の適応は,皮表の黄色ブドウ球菌(黄ブ菌と略す)の菌量がスクラブ法で106cfu/cm2<またはスタンプ法で1000cfu/10cm2<の場合であり,細菌培養で単に黄ブ菌を検出したのみでは抗菌薬は投与しない.個々の症例では,臨床症状の程度のみで菌量の推定は困難であるため,抗菌薬療法を行う場合にはスタンプ法で皮表の黄ブ菌の菌量を確認する必要がある.ADの治療としてcefdinir(CFDN)内服と1%chlorhexidine gluconate(CG)クリーム外用について,治療前後にスタンプ法で比較した.CFDN内服が1%CGクリーム外用より菌量減少効果がはるかに優れており,副作用出現頻度も少ない.CFDN内服後MRSAへの菌交代率は20/96(20.8%)であった.抗菌薬療法後に菌交代したMRSAの菌数が増加する場合,黄ブ菌の存在以外にADの皮疹を増悪させる他の要因が存在している可能性が考えられる.不適切な外用・接触皮膚炎の除去などを抗菌薬投与と同時に行うことが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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