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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻5号

1996年04月発行

特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996

4 治療のポイント

皮膚潰瘍治療における消毒の問題

著者: 宮地良樹1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.139 - P.142

文献概要

 皮膚潰瘍や褥瘡治療において,創面の感染制御はもっとも重要なアプローチの一つであるが,非選択的毒性を有する消毒薬の使用には異論も多い.これはポビドンヨードなどの消毒薬にみられる組織傷害性が創傷治癒を遷延させるという理由によるものである.一方,MRSA感染創に最も有力なポビドンヨードは捨てがたいとの意見もある.大切なことは,創面の清浄化が求められる時期では正しく用い,滲出液が減少し肉芽形成期に入った場合には創周囲にとどめることであろう.正しい使い方とは,目的に合った濃度を用い,創内に残留させないこと,洗浄剤を含む製剤を用いないことである.入院中で,生理食塩水による洗浄が清潔に施行できる理想的な状況と,在宅ケアでの困難な状況との間には大きなギャップも存在するので,消毒薬の使用には合理的かつ柔軟な対応が求められよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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