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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻5号

1996年04月発行

特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996

4 治療のポイント

水痘を治療すべきか

著者: 浅野喜造1

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.156 - P.159

文献概要

 Varicella-zoster virus(VZV)は感受性者に侵入,2週後に水痘を生じる.潜伏期に2相性のウイルス血症,発病前後には皮膚だけでなく内臓諸臓器の病変が想定される.現在,水痘に対してワクチン,アシクロビルという有力な武器が存在し,その優れた効果は良く知られている.水痘を予防,治療すべきか否かの判断は本来疾患の重症度,合併症の種類,頻度によるが古典的重症感染症の減少など社会環境の変化とともに臨床家,保護者のいずれにも疾患回避の方向がみられる.日常診療の中では有効,安全な方法があれば是非わが子には使ってほしいという保護者の強いニーズが感じられるが,実際の使用にあたっては医師と保護者の間にインフォームド・コンセントを要し,その判断のためには臨床的効果と経済的利点とともに患児の苦痛の軽減,QOL向上の観点での考慮が必要とされよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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