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特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996 4 治療のポイント
伝染性軟属腫への対処—最近の考え方
著者: 新関寛二1
所属機関: 1茅ヶ崎皮膚科医院
ページ範囲:P.165 - P.170
文献購入ページに移動 最近の伝染性軟属腫(MCと略す)は個疹の小さいもの(1〜2mm大)が無数に,しかも広範囲に散在していることが多い.特に紅色調の強い個疹の多発は痒みを伴い掻破で自家接種し,他人への伝染力も著しい.したがって私は,このような症例では速やかに治療することが望ましいと考え,積極的に加療するよう啓蒙している.治療にやぶさかなのは未だ確たる治療法に乏しいためではなかろうか.ましてや最近のMCは小さくかつ無数に散在している症例が多いので,従来からの根治的圧出除去法では患児はもとより,施術者にとっても耐え難い労作である.私は既報の40%硝酸銀療法の難点を改善し,40%硝酸銀ペースト法(40%硝酸銀液に小麦粉を25%の割合に加え撹拌しペースト状とする)を考案し,MC丘疹にのみ微量に塗布し良結果を得たので当該法の実際について概説する.
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