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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻6号

1996年05月発行

文献概要

今月の症例

前腕に脳回転状腫瘤を認めたプロテウス症候群の1例

著者: 大津孝枝1 上枝万純1 宮下正人1 戸井洋一郎1 荒川謙三1 荒田次郎1

所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.408 - P.410

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 46歳,女性.生来,上腕,手背のびまん性腫大あり,リンパ浮腫と診断されていた.中学生時,丹毒罹患後,右前腕に不整な褐色斑出現.その後も蜂窩織炎を繰り返し,20歳頃より同部が疣状隆起,30歳後半より徐々に増大してきた.初診時,四肢は右側優位にびまん性に腫大し,様々な色素沈着病変を合併.右前腕には,脳回転状の皺襞を有する小児頭大の岩礁状隆起性病変,また頸部,項部,前胸部に表面凹凸する不整な紅褐色斑が見られた.骨X線像著変なし.岩礁状部の組織では,表皮の乳頭状増殖,脂肪腫,血管腫,リンパ管腫,線維腫が混在し,リンパ浮腫を伴っていた.1)半側肥大,2)脈管,脂肪組織,膠原線維の過誤腫,3)皮膚の脳回転状腫瘤などの存在より,本例をプロテウス症候群と診断.従来の報告に比して症状発現が緩徐で,皮膚組織の過剰発育が主体だった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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