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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻6号

1996年05月発行

文献概要

症例報告

内視鏡で消化器病変を観察しえたアナフィラクトイド紫斑の1例

著者: 野崎重之1 肥後尚孝1 角地智加子1 野内俊彦2

所属機関: 1公立昭和病院皮膚科 2公立昭和病院消化器内科

ページ範囲:P.427 - P.429

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 胃および十二指腸病変を内視鏡的に観察しえたアナフィラクトイド紫斑の症例を報告する.症例は19歳女性,1週間前より咽頭痛が出現,4日前より左下肢に紫斑が出現し躯幹,四肢に拡大,腹痛,関節痛,37℃台の発熱を伴ったため入院した.腹痛を合併したアナフィラクトイド紫斑と診断しプレドニゾロン15〜25mgを投与したところ,入院5日目に腹痛は消失した.しかしその数日後に紫斑が増強したため,プレドニゾロンを30mgに増量し抗菌剤を加えたところ腹痛の再発をきたした.腹痛の原因検索のため上部消化管内視鏡検査を施行,胃と十二指腸にアナフィラクトイド紫斑に特徴的なびらんの所見を認めた.その後,腹痛は速やかに消失し紫斑も軽快傾向を認めた.アナフィラクトイド紫斑に合併する腹部症状の診断に消化管内視鏡検査は有用と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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