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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻6号

1996年05月発行

文献概要

症例報告

硬毛部急性深在性白癬の1例

著者: 蜂須賀裕志1 楠原正洋1 川浪東洋1 笹井陽一郎1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.437 - P.439

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 患者は33歳男性.約10ヵ月前より陰茎の背面に瘙痒を伴う湿潤した紅斑が出現し,近医にてステロイド剤の投与を受けたが軽快増悪を繰り返していた.1ヵ月前,ステロイド剤を外用後,鼠径部,陰茎基部に皮下結節が出現した.生検組織では真皮中層に表皮類似の嚢腫様構造があり,膿瘍が認められた.残存する硬毛のPAS染色にて毛外性の菌要素が認められた.真皮内に菌要素は認めなかった.毛髪,組織片の培養にてTricho-phyton rubrumを分離した.これらの所見より硬毛部急性深在性白癬と診断した.本症は,外陰部の硬毛に生じたケルスス禿瘡または白癬菌性毛瘡というべき状態であり,ステロイド剤外用を誘因として生じると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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