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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻6号

1996年05月発行

文献概要

症例報告

寛解期らい患者に発症した汗腺癌,肝癌の併発例

著者: 並里まさ子13 矢島幹久12 村上國男1 浅野伍朗2 小川秀興3

所属機関: 1国立療養所多磨全生園基本治療科 2日本医科大学第二病理学教室 3順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.461 - P.464

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 寛解期らい患者の頭部に発生した汗腺癌の1例を報告する.HCV陽性で肝硬変を有する.a-fetoproteinの急激な上昇とともに,頭部に腫瘤が出現し,急速に増大したため切除した.またほぼ同時に,肝右葉に腫瘍性陰影がCTにて確認された.頭部腫瘍は好塩基性細胞と明調な細胞よりなり,その特徴的な配列と抗CEA抗体による染色態度等より,malignant clear cell hidradenomaと考えた.1年経過した時点で転移巣を認めず,肝腫瘍はわずかに増大傾向を示す.患者は活動期らい病変にて汗腺を含む真皮結合織の広範な障害を受けたと考えられ,当該部皮膚にほとんど発汗を認めないが,残存する汗腺組織より腫瘍が発生したものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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