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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻7号

1996年06月発行

文献概要

症例報告

自然軽快したcollodion babyの1例および本邦報告例のまとめ

著者: 西岡和恵1 村田雅子1 石川武人1 山村泰一2 田中貴俊3

所属機関: 1山口赤十字病院皮膚科 2山口赤十字病院小児科 3塩田病院小児科

ページ範囲:P.507 - P.510

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 症例:生後4時間,男児.初診平成3年7月15日.在胎38週6日.出生体重3188g,Apgar score10点.出生時より全身に乾燥性紅色皮疹があり,本院NICUに搬入され当科紹介.初診時,全身の皮膚は潮紅を示し,光沢のある膜に覆われていた.前額部から眼周囲は魚鱗癬様の鱗屑を認め,眼瞼は外反し,手部,足部は浮腫性に腫大していた.Collodion babyとして経過観察したところ1ヵ月後には全身の紅斑は著明に消褪し,躯幹に乾燥性の鱗屑を残す状態となり,5ヵ月後にはほぼ正常化した.発育・発達異常や他の奇形の合併はない.患児および母親のステロイドサルファターゼ値は正常範囲内にあり,腹部の皮膚生検では表皮の過角化を認めるも,顆粒層には変化なし.Collodion babyの本邦報告は24例あり,このうち自然軽快を認めた例は7例(29.2%),非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症となったもの12例(50%),その他5例(20.8%)であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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