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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻7号

1996年06月発行

症例報告

結腸癌の所属リンパ節に類上皮細胞肉芽腫の充満像を示したサルコイドーシス—サルコイド反応とサルコイドーシスの相違について

著者: 加藤直子1 外舘晃洋1 冨田幸希1 女澤慎一2

所属機関: 1国立札幌病院皮膚科 2国立札幌病院内科

ページ範囲:P.525 - P.528

文献概要

 肺門リンパ節の腫脹,顔面の局面型サルコイドーシスの皮疹,右結腸リンパ節内の類上皮細胞肉芽腫を示したサルコイドーシスの女性例を報告する.症例は60歳時に結腸腺癌のため右半結腸切除術および所属リンパ節郭清術を受けた.結腸所属リンパ節には小形で輪郭が明瞭な多数の類上皮細胞肉芽腫が充満していた.胸部X線像では両側肺門のリンパ節腫脹を認めた.その後顔面に境界明瞭な淡紅褐色局面が出現し,組織学的に真皮内の乾酪変性を伴わない類上皮細胞肉芽腫を確認しサルコイドーシスと診断した.サルコイドーシスのリンパ節浸潤は,傍皮質領域を中心に輪郭が明瞭で典型的な類上皮細胞肉芽腫を多数形成するものが多い.一方,癌の所属リンパ節でのサルコイド反応は,主として洞内に組織球系細胞が集簇し,類上皮細胞肉芽腫は形態が不規則で不明瞭のことが多い.両者の典型例は組織学的に鑑別が可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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