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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻7号

1996年06月発行

文献概要

症例報告

高齢者のLangerhans cell histiocytosis

著者: 片桐美之1 三橋善比古1 穂積豊1 近藤慈夫1

所属機関: 1山形大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.529 - P.532

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要約 71歳,男性.初診の2年前,前胸部に小豆大までの瘙痒を欠く紅色丘疹が出現し,次第に全身に拡大.丘疹は痂皮を付着するものや出血を伴うものもある.組織学的に,真皮上〜中層に組織球とリンパ球の浸潤を認め,免疫組織学的検索で,組織球はS100蛋白陽性,電顕的にBirbeck顆粒を有していた.また,腋窩リンパ節への腫瘍細胞の浸潤を認め,その他,肺にlymphangitis sarcomatosaを,骨盤には壊死性融解性の骨変化を認めた.以上からLangerhans cell histiocytosis(LCH)と診断した.70歳以上のLCHの報告例22例について臨床的特徴をまとめたところ,男女比は6:5,皮疹は丘疹と紫斑が主体であり,全身臓器に侵襲を認めたものが22例中14例で,予後が明らかな17例中13例が死の転帰をとっており,予後不良であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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