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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻8号

1996年07月発行

文献概要

原著

Trichiophyton violaceumおよびTrichophyton glabrum感染症14例の臨床的検討

著者: 篠田英和1 西本勝太郎2

所属機関: 1篠田皮ふ科医院 2長崎市民病院皮膚科

ページ範囲:P.583 - P.588

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 1986年1月より1995年12月までの10年間に当診療所を受診したTrichophyton violaceumおよびT.glabrum感染症の14例について検討した.30歳代の1例を除くと10歳未満8例,50歳以上5例で小児例が全体の57%を占めた.小児例は男女比7:1と男性優位,一方成人例はすべて女性であった.病型別ではblack dot ringworm 4例,粃糠疹型7例,ケルスス禿瘡1例,体部白癬12例(重複例を含む),爪白癬1例であった.体部白癬の皮膚症状は淡紅色斑6例,炎症の強い環状紅斑9例で,顔面には小病巣が多発し,躯幹および下肢では顔面と比較しやや大きい病巣が単発する傾向がみられた.家族内発生例は2家系5例に認められた.Brush sampling法による菌の分離を9家系44人に試み,2家系3人(兄,姉,祖母)の無症候の頭髪より患者と同一の菌を分離した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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