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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻8号

1996年07月発行

文献概要

症例報告

家族性良性慢性天疱瘡の母子例

著者: 伏見操1 小粥雅明1 五十嵐晴巳2

所属機関: 1富士宮市立病院皮膚科 2静岡厚生病院皮膚科

ページ範囲:P.615 - P.617

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 症例1:61歳,女性.約30年前より腋窩や肘窩などの間擦部位に紅斑や水疱が出現し,水疱は破れて糜爛となった.近医で天疱瘡と診断され,副腎皮質ホルモン剤の大量点滴を行い皮疹は改善したが,その後も夏季増悪と冬季軽快を繰り返した.症例2:32歳,男性(症例1の長男).約6年前より夏季に陰股部に紅斑や糜爛が出現し,皮疹は他の間擦部位にも拡大した.病理組織標本では両者とも表皮細胞の棘融解による表皮内裂隙形成を認めた.臨床および病理組織より家族性良性慢性天疱瘡と診断し,副腎皮質ホルモン剤外用と抗生剤の内服で治療した.症例1は体部白癬や単純疱疹の合併により皮疹の一時的増悪を認めたがコントロール可能であり,症例2は略治した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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