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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻8号

1996年07月発行

症例報告

化学療法が奏効したメルケル細胞癌の転移例

著者: 栗村理恵1 伊藤治夫1 楠山法子1 天谷尚子1 原田敬之1 尾立冬樹2

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院皮膚科 2至誠会第二病院皮膚科

ページ範囲:P.635 - P.637

文献概要

 50歳,男性の膝蓋に生じたメルケル細胞癌の1例を報告した.右膝蓋に径4cm,表面淡紅色調,弾性硬の皮下結節を認めた.病理組織学的には真皮上層から皮下脂肪織にかけて密に浸潤,増殖する異型性の強い腫瘍細胞を認めた.所属リンパ節に転移を認めた.免疫組織学的検索で腫瘍細胞はneuron-specific-enolase陽性,サイトケラチン陽性であり,電顕的には腫瘍細胞の細胞質に有芯顆粒が認められた.治療としては広範囲切除,所属リンパ節郭清術の外科的療法に加えて,電子線による放射線療法,シスプラチン,エトポシドによる化学療法を併用した.1年10ヵ月経過した現在,局所再発および転移を認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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