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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻9号

1996年08月発行

症例報告

乳児期に発症した慢性苔癬状粃糠疹の1例

著者: 佐野栄紀1 宮本朋子1 吉川邦彦1 橋本公二2

所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科学教室 2愛媛大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.692 - P.694

文献概要

 患者は3歳8ヵ月男児.1歳半頃より体幹に播種性に紅色丘疹が出現し,治療を受けるも完治せず,3歳頃より四肢にも皮疹の範囲が拡大してきたため,当科を受診.丘疹は一部に粃糠性鱗屑を付け,治癒後の色素脱失,色素沈着も混在して多彩な病像を呈していた.病理組織検査では真皮血管周囲性の小円形細胞浸潤とともに表皮基底層に軽度の液状変性,表皮内への小円形細胞浸潤,真皮乳頭層に赤血球漏出を認め,臨床症状と併せ慢性苔癬状粃糠疹と診断した.皮疹はUVB照射療法に反応し軽快した.我々の調べ得た限り,本邦では1歳に発症した慢性苔癬状粃糠疹は報告がなく,自験例が文献上最年少である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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