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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻9号

1996年08月発行

症例報告

病勢に一致して高度の心室性期外収縮の多発をみた中年男子全身性エリテマトーデスの2例

著者: 樋口哲也1 沢田泰之1 佐藤貴浩1 片山一朗1 西岡清1 島村治子2 秋山淳一2 丸茂文昭2 長谷川正次3 片山淳子4

所属機関: 1東京医科歯科大学皮膚科学教室 2東京医科歯科大学第2内科学教室 3長谷川皮膚科 4千葉徳洲会病院皮膚科

ページ範囲:P.699 - P.702

文献概要

 経過中に重篤な心室性期外収縮(PVC)の合併を認め,現病治療により軽快した中年男子全身性エリテマトーデス(SLE)の2例を報告した.症例1:46歳男,顔面の円板状紅斑,網状皮斑,ループス腎炎,白血球減少,胸膜炎,凝固異常を認めた.入院時よりPVCを認め,ステロイドパルス療法後に凝固系がさらに充進,PVCも増加した.後の循環器学的検査で左冠動脈の狭窄,軽度の心筋炎,心筋の血管炎を認め.症例2:49歳男,顔面の円板状紅斑,網状皮斑,日光過敏,抗核抗体陽性,白血球減少を認めた.経過中,筋痛,リンパ節痛,微熱などの増悪に伴い,PVCの多発を認め,免疫抑制剤による治療で軽快した.SLEによる心筋炎,心筋の血管炎,凝固異常などがPVCの成因に関与したと考えた.SLEの経過中の心血管疾患の出現に対し,Holter心電図などを施行し,ステロイド治療も慎重に行い,十分な経過観察が必要と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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