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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科50巻9号

1996年08月発行

文献概要

症例報告

皮膚石灰沈着症の1例

著者: 市原美里1 舟橋美雪2 米田和史2 藤澤百合子3

所属機関: 1刈谷総合病院皮膚科 2岐阜市民病院皮膚科 3岐阜大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.723 - P.725

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 49歳,女性.右膝関節近傍に自覚症状のない一部黄色調を呈する淡紅色半球状腫瘤が出現.切除組織のHE染色とコッサ染色,石灰分析の結果から表皮嚢腫を合併した皮膚石灰沈着症と診断した.血中カルシウム,リンの値は正常であったが,各種検査結果よりシェーグレン症候群の合併を疑わせた.3ヵ月後に右足関節伸側,左足関節伸側,左下腿屈側の計3ヵ所に下床との可動性良好な弾性硬の皮下小結節に気づき,3ヵ所とも切除を行った.組織はmobile encapsulated lipoma(以下MEL)とその二次的な石灰化を疑わせる所見であった.また同時に行った石灰分析にてリン酸カルシウムと炭酸カルシウムの混合物が検出された.本症例に関しては表皮嚢腫,MELに二次的な石灰化を来し,また要因としてシェーグレン症候群の存在した可能性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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