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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻1号

1997年01月発行

文献概要

原著

特異なリンパ管侵襲をみた足底の結節型黒色腫—In-transit転移発症機序に関する研究

著者: 栗原伸之1 森嶋隆文1 森鳴智津子1 岡田知善1 涌井史典1 原弘之1 落合豊子1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.9 - P.14

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 左足底の結節型黒色腫の広範囲切除術とリンパ節郭清術2年後にin-transit転移をみた65歳,男性例を報告した.興味ある知見は,1)切除時,肉眼的に皮下脂肪組織浅層に多数の黒色索状物が認められ,これに接して皮下結節の存在を確認したこと,2)病理組織学的には黒色索状物はリンパ管で,黒色腫細胞が管腔内を栓塞し,管壁に胞巣形成を認めたこと,3)リンパ管には黄色蛍光の多形細胞と緑色の小円形細胞とがあり,皮下結節では緑色の小円形細胞浸潤が主体で,多形細胞はHMB−45強陽性,小円形細胞は陰性であったこと,4)細胞核DNA量は原発巣に比し,in—trallsit転移巣で高,aneuploid patternを呈していたこと,5)eumelanin・pheomelaninの含有量は原発巣,転移巣ともほぼ同値であったが,pheomelaninの占める割合は原発巣で高く,転移巣で低かったことなどである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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