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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻1号

1997年01月発行

文献概要

今月の症例

クリオグロブリン血症に伴った紫斑の1例—C型肝炎ウイルス感染との関連について

著者: 小林誠一郎1 菊池新1 仲弥1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.20 - P.22

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 クリオグロブリン血症に伴った紫斑の1例を報告した.膜性増殖性腎炎の経過中,両下肢に浮腫と点状ないし局面状の紫斑が多数出現.C型肝炎の既往歴あり.臨床検査上,血清リウマトイド因子高値,C型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性で,IgG,IgMタイプのクリオグロブリン高値陽性を認めた.病理組織学的には真皮浅層から中層の血管周囲に好中球,核破片を認め,赤血球の血管外漏出像,血管のフィブリノイド変性,血管内腔閉塞を伴う血管炎も認められた.直接免疫蛍光抗体法では真皮浅層の血管壁にC3の沈着が認められた.HCV感染とクリオグロブリン血症について若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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