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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻1号

1997年01月発行

文献概要

症例報告

ダイエット中に発症した色素性痒疹の1例

著者: 谷野千鶴子1 石川高康1 上出良一1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.27 - P.29

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 症例は19歳,男性.急激に体重が増加したため,ジョギングと食事療法によるダイエットを開始したところ,前胸部および背部に掻痒を伴う粟粒大の紅色丘疹とそれに引き続く粗大網目状の褐色調色素沈着が生じた.病理組織では基底細胞の液状変性と軽度の細胞間浮腫が認められ,異常角化細胞が散見された.色素性痒疹と診断し,食事を普通に戻しDDSの内服を開始したところ紅斑は消退した.初診時,尿中アセトン体が(+1)で5日後(+3)にまで上昇したが,皮疹の改善とともに陰性化した.色素性痒疹の病因についてはいまだに不明であるが,内分泌系や糖代謝の異常など内的要因の関与も示唆されている.飢餓や糖尿病によるケトージスが色素性痒疹の発症に何らかの関連を持つことが強く示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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