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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻1号

1997年01月発行

文献概要

症例報告

硫酸ストレプトマイシンによる膿疱型薬疹の1例

著者: 佐藤和佳子1 小野勝馬1 玉城毅1 金井貴子2 内藤琇一2

所属機関: 1東京医科大学皮膚科学教室 2東京医科大学附属霞ケ浦病院皮膚科

ページ範囲:P.37 - P.39

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 32歳,男性の膿疱性薬疹の1例を報告した.結核の治療歴,乾癬の既往なし.結核性胸膜炎のため胸膜剥離術施行し,硫酸ストレプトマイシン使用開始.翌日より発熱,紅斑出現.同時に使用していたペントシリン®による薬疹と考え,ペントシリン®のみ中止したが軽快せず,10日後,紅皮症様びまん性潮紅上に膿疱出現.組織にて角層内,表皮内に好中球からなる膿疱を認めたが,血管炎の所見なし.ストレプトマイシン中止翌日より解熱,皮疹も軽快した.硫酸ストレプトマイシンのパッチテストは20%,2%,0.2%で陽性,0.02%は陰性.DLST陰性.再投与試験でびまん性の紅斑出現.他のアミノグリコシド系抗生物質—ゲンタシン®,トブラシン®,カナマイシン®,フラジオマイシン®のパッチテストを施行したが,いずれの薬剤でも陰性で,交差反応は見られなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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