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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻1号

1997年01月発行

文献概要

症例報告

急激な肉体労働後に生じたMondor病の1例

著者: 成田浩巳1 新田悠紀子2

所属機関: 1愛知県厚生農業協同組合連合会加茂病院皮膚科 2愛知医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.44 - P.46

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 61歳,男性.仕事で重い荷物を運搬した後,胸腹壁に生じたMomdor病の1例を,若干の文献的考察を加え報告した.右胸腹壁に太さ約0.3cm,長さ約10cm,弾性硬の索状皮下硬結を認めた.病理組織像では,皮下脂肪織内に中等大の脈管を認めた.内腔は閉塞し,壁は全層にわたり器質化した線維組織により置換され,増殖性脈管炎の像を呈した.Elastica-van Gieson染色で断裂した内弾性板を認めた.第VIII因子関連抗原の免疫染色所見で壁内の新生した毛細血管の内皮細胞に陽性所見を認めた.Mondor病は,罹患脈管が静脈かリンパ管かで従来より議論が絶えないが,自験例は内弾性板を認めたことより静脈由来と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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