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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻1号

1997年01月発行

文献概要

症例報告

下腿潰瘍を合併した先天性アンチトロンビンIII欠乏症の1例

著者: 松本博子1 安西秀美1 井出瑛子1 杉浦丹1 綿引洋一2 小坂昭夫2 村田満3

所属機関: 1清水市立病院皮膚科 2清水市立病院外科 3慶應義塾大学医学部内科学教室

ページ範囲:P.47 - P.50

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 下腿潰瘍より先天性アンチトロンビンIII欠乏症を診断しえた31歳男性例を報告した.両下腿に3年来難治の潰瘍があり,周囲にうっ滞性皮膚炎の所見を認める.静脈造影にて両下肢から下大静脈にかけての多発血栓を,肺血流シンチグラムで多発性の陰影欠損を認めた.若年発症で,上矢状静脈洞血栓症の既往もあり,凝固線溶系の精査を施行し上記と診断した.抗原量・活性ともに低下したタイプで,子(6歳女)にも同様の所見を認めた.血栓症に関しては抗凝固療法を,また,肺塞栓予防のため下大静脈内フィルターを挿入.潰瘍は通常の外用療法にて治癒した.若年発症の下腿潰瘍で静脈血栓症に伴う場合,同症も念頭において先天性血栓性素因の精査を施行すべきと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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