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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻1号

1997年01月発行

文献概要

症例報告

Eosinophilic cellulitisの1例

著者: 市川健12 斎田俊明1 斉木実2

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室 2長野赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.51 - P.54

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 50歳,女性.HBs抗原陽性.平成6年6月頃より,1〜2か月に1度,瘙痒感を伴う皮疹と口腔歯肉の発赤腫脹を繰り返す.その都度,開業医で抗生物質の点滴静注,ステロイド内服加療を受け軽快していた.平成7年4月21目,頬部の腫脹,歯肉炎が増悪し,長野赤十字病院歯科口腔外科に頬部蜂窩織炎の診断で入院し,当科へ紹介された.初診時,ほぼ全身に浮腫性地図状の紅褐色紅斑とその周辺部に点状紫斑がみられた.強い瘙痒感と肩関節痛を伴う.頬部の腫脹,口腔内疼痛も認められる.白血球15,800/mm3,末梢血好酸球分画70.8%.右肩部の皮疹の生検では真皮に密な好酸球浸潤と顆粒状の好酸性物質の沈着が認められた.DDS 30mgの内服では著効はみられなかったため,プレドニゾロン20mgの内服を開始したところ,3日目には皮疹,関節痛,頬部腫脹は顕著に改善した.平成7年12月現在,プレドニゾロン10mg/日の内服を継続しており,皮疹の再燃は認められていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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