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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻10号

1997年09月発行

今月の症例

悪性黒色腫術後BCG免疫賦活療法後に生じた皮膚結核性潰瘍の1例

著者: 田邉洋1 木崎二郎1 佐山重敏1 佐武晃幸2 野瀬謙介2

所属機関: 1天理よろづ相談所病院皮膚科 2天理よろづ相談所病院形成外科

ページ範囲:P.792 - P.795

文献概要

 70歳,女性.平成6年9月27日当院形成外科にて左足底のStage IIのacral lentiginousmelanoma切除術後,10月11日より化学療法(DAV)に加え免疫賦活療法として,経皮用BCG生ワクチンを両上腕に合計28mg皮下注された.皮下注の2週間後に注射部3か所に肉芽腫性潰瘍を形成した.11月15日に潰瘍切除術を受け左上腕の創は生着したが,右上腕の潰瘍が再発した.12月9日皮膚科に紹介され受診した.病理組織像で中心性壊死を伴う結核結節を認めた.Ziehl—Neelsen染色で多数の抗酸性の桿菌を認め,培養同定結果はBCG株と一致した.治療はイソニアジド,リファンピシン,レボフロキサシンの3剤内服で,約3か月後潰瘍は上皮化した.検査上患者の免疫不全は証明できず,BCG生菌の過量皮下注射によるMycobacterium bovis(日本株)感染症と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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