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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻10号

1997年09月発行

文献概要

症例報告

塩酸ジルチアゼムにより誘発された汎発性膿疱性乾癬の1例—表皮内カルモジュリン濃度を測定し得た症例

著者: 川岸尚子1 坂井博之2 飯塚一2

所属機関: 1北見小林病院皮膚科 2旭川医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.802 - P.804

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 63歳,女性.20年前から稽留性肢端皮膚炎に罹患していた.高血圧のため,塩酸ジルチアゼム(ヘルベッサー®)を服用し,その1週間後に全身に痒みを伴う浮腫性紅斑が出現した.ステロイド内服により皮疹は軽快傾向を示したが,減量に伴って膿疱を伴う紅斑が出現し,ほぼ全身に拡大してきた.病理組織学的にはKogojの海綿状膿疱を伴う角層下膿疱であった.エトレチナート投与により皮疹は軽快していたが,平成4年5月13日再度塩酸ジルチアゼムを投与され,全身に浮腫性紅斑の出現をみた.同薬剤によるリンパ球幼若化試験は陰性.貼布試験では浮腫性紅斑の上に明らかな膿疱の形成をみた.また,皮疹増悪時と軽快期における皮疹部のカルモジュリン濃度を測定したところ,増悪時にカルモジュリン量の増加が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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