icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻10号

1997年09月発行

文献概要

症例報告

一過性に経過した腸管ベーチェット病の1例

著者: 三枝恵美1 清水顕1 長田厚1 秋山千恵1 大竹直人1 島田眞路1 古江増隆2 玉置邦彦2

所属機関: 1山梨医科大学皮膚科学教室 2東京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.841 - P.844

文献購入ページに移動
 20歳,男性.平成6年4月頃より38℃台の発熱,頭痛,関節痛とともに背部に毛嚢炎様丘疹が出現した.抗生剤内服するも皮疹は増数し,手足に紅斑,丘疹が出現したため当科を受診した.初診時,顔面,体幹,下腿に紅量を伴う無菌性膿疱,丘疹が散在し,手足には半米粒大の紅斑,丘疹が多発,集簇していた.同時期に多発性口腔内アフタ,陰部潰瘍,結節性紅斑,虹彩毛様体炎による視力低下を認めた.また入院後,水様性下痢,黒色便,腹痛とHb値の急激な低下をきたし便潜血反応強陽性となった.そのため,大腸内視鏡を施行し,回盲部に潰瘍瘢痕が確認されたため,腸管ベーチェット病と診断した.いずれの症状も対症療法のみですみやかに軽快,消失し,全経過は約1か月半であった.以後約2年6か月間,全く症状の再発を認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?