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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻10号

1997年09月発行

文献概要

症例報告

乳頭状エクリン腺腫の1例

著者: 水野尚1 長谷哲男1 中嶋弘1 北村均2

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室 2横浜市立大学医学部附属病院病理部

ページ範囲:P.857 - P.860

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 48歳,女性.10歳頃より生じた右大腿内側の小腫瘤.組織学的に真皮全層に大小多数の管腔構造を認め,管腔壁内側の細胞は管腔内へ乳頭状に突出するという典型的所見より乳頭状エクリン腺腫と診断した.腫瘍組織はCEA陽性で細胞間分泌細管が認められた.またS−100蛋白,EMA,BRST1染色陽性で,BRST2染色陰性であることより腫瘍組織はエクリン腺分泌部の性質を示すものと考えられたが,CA19-9染色陽性であることよりエクリン腺導管部の性質も合わせ持つと推定された.汗腺腫瘍,エクリン腺系とアポクリン腺系の鑑別には細胞間分泌細管の確認,CA19-9,BRST2染色が有用と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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