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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻11号

1997年10月発行

今月の症例

α鎖病の1例

著者: 川瀬正昭1 澤田俊一1 本田まりこ1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.895 - P.898

文献概要

 44歳男性に認められたα鎖病の1例について報告した.腹部,前腕および上腕,腰背部,大腿,下腿に掻痒を伴わない径3mm大の淡紅色丘疹が認められ,リンパ節腫大や肝脾腫はなかった.血清学的にIgA高値を示し,免疫電気泳動ではIgAの重鎖(α鎖)のみの過剰産生がみられた.皮膚病変の組織では真皮全層の血管周囲性に大小不同のリンパ球細胞浸潤を認め,真皮深層には異型性のない形質細胞の浸潤を認めた.また真皮深層にある形質細胞の細胞質に一致して蛍光抗体直接法でIgAの局在を認めた.これまでに消化器症状または呼吸器症状を呈した症例は報告されているが,皮疹だけを主訴に皮膚科を受診し,α鎖病が発見されるのは非常に稀であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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